スポーツとテンプレート療法

 テンプレートの使用で向上する運動能力

当診療所のテンプレート療法は、アメリカンフットボールをはじめ、さまざまなスポーツ選手の運動能力向上やケガの予防について、コンサルティングや治療に多くの成果をあげています。

 

テンプレート療法については、全てのヒトがテンプレートを噛むだけで、運動機能が向上し、顎関節症やぜん息、睡眠時無呼吸症などの病気まで改善すると言う不思議さに戸惑う方も少なくないのでは。

 

 テンプレートを噛むことで何が変化し、どこに作用するのか

まず、人間が、テンプレートや厚みのある固い飴を噛む時、何が変化するのでしょう?

図のように単純に口が開くだけです。驚くことに、たったそれだけです。

普段は誰も深く考えませんが、テンプレートや大きなものを噛む時、この大きく開く口の状態に大変な意義が隠されているのです。

テンプレート装着時の現象   対応する効果

  1. 口腔内容積の増加     ⇒ 気道の拡大
  2. 舌運動の自由度の増加   ⇒ 舌根沈下の防止
  3. 閉口筋が伸びる      ⇒ 筋紡錘の興奮;三叉神経、中脳路核を刺激
  4. 上顎(頭蓋)の後方移動  ⇒ 持続的頸反射の変化;姿勢の変化
  5. 顎関節の圧迫力解放    ⇒ 関節の侵害刺激の除去

1.口の中の容積が増えて呼吸しやすくなる

噛んだ材料(テンプレート)の厚みだけ口は開きます。当然ですが喉の奥まで口の容積が拡大しますから空気の通りがよくなります。

アスリートには必須の呼吸のし易さが得られることになります。

また、治療ではぜん息に応用、睡眠時無呼吸症候群にも使用します。

2.舌が自由に動きやすくなり、のどを塞がない

口を開けた状態で下顎は前方に移動します。下顎に取り付いている舌も当然ながら前方に移動します。

同時に天井が高くなり(上顎までの空間が広がる)舌は動きやすくなります。

実際には当初少しまごつきますが、舌が前に出ることは発音しやすく、呼吸は楽になります。さらに脳は、狭い空間から舌が解放されますので、のびのびと活動します。

狭い空間での舌の運動は、複雑な脳の働きを駆使しなければならず、脳の疲労につながるのです。

3.口を閉じる筋肉が中脳を直接刺激して、体を目覚めさせ、痛みを抑制する

噛んだ材料(テンプレート)の厚みだけ口は開き、そしゃく筋(骨格筋)は伸びています。

そうすると筋肉の中のセンサー(筋紡錘)が、伸びているから縮めなさいと言う命令を脳幹の中脳を介してやり取りしますので、中脳はおおいに刺激されます。

★中脳が刺激されるとどうなるのか?

この場所は体を動かすためのセンターです。

目や心臓、手足の動作、そして姿勢を保つといった基本的な動きを小脳と協力して制御しています。

最も重要な働きは姿勢を調節していることです。

したがって、この中脳が刺激されると姿勢がよくなり、とても動きやすくなるのです。

★体が目覚め、周りの環境の変化をすばやく察知し、運動能を高める

さらに、中脳のある脳幹が刺激されているので、目は見開き周りの環境の変化をすばやく察知しようとします(覚醒)。

「そしゃく筋の働きが脳幹を直接刺激して体を目覚めさせながら運動機能を向上させる。」これが運動能を高めるゆえんです。

プロ野球の選手がガムを噛んでいる光景を良く目にしますが、ガムを噛むと歯根からの情報の一部も中脳に届き、そしゃく筋を伸ばしたのと同じ効果になります。

 

※口の感覚は脳幹を中心に様々な情報をやり取りしています。

口に起こる変化は脳幹の感度を左右することになり、逆に脳の状態も口に現れることになり、脳死の判定に利用されています。

 

注意)

すり減りすぎた歯のかみ合わせ、あるいは、歯のかみ合わせが悪い人は、そしゃく筋が伸びずに、悪い噛み合わせでも最大効率で噛もうとしますので脳が活動しすぎて(脳の運動系)、脳のストレスにしかなりません。

さらに顎関節に力がかかりすぎ、顎関節症の原因となります。

こういった状況では「噛めば噛むほど(一口30回)健康になる」とすることわざは、歯のかみ合わせのいい人に限った話で、悪くすると脳と顎関節の疲労を招くことになります。

なお、トップアスリートの必須条件は歯のかみ合わせが良いことです。

歯のかみ合わせの計測方法はありませんので、親知らずも含め、歯のかみ合わせを悪くする無用な抜歯を控え、歯をすり減らす歯ぎしりも厳禁です。(歯ぎしり防止装置やテンプレートを使用しましょう)。

★スポーツ時に起こる、さまざまな痛みが抑制される

もう一点、この中脳付近は、中脳水道周辺灰白質といって痛みを脳から遮断するところです。

医学的には下降性抑制という仕組みで、視床でおこる痛みを除き、脳から脊髄に働いて痛みを止める場所です。

この場所がそしゃく筋を伸ばすことで刺激され、さまざまな痛みを半減します。

実際にテンプレートを使用して脳腫瘍の痛みを抑制したケースもあり、偏頭痛、群発頭痛や筋緊張性頭痛では、テンプレートの使用によって頭痛発作が起こらなくなります。

これは薬の使用を控えられるため、患者さんにとっても大変朗報になっています。

4.上顎と下顎の動きが補正され、スポーツに最も重要な正しい姿勢が確保される

普段、口を開ける動作で頭と顎の動きの関係は意識されません。

例えば、車や電車の進行方向と逆方向に地面が同時に移動すると、見た目は止まって見えるのと同じですね。

逆に車や電車に視点を固定すると地面だけが移動して見えます。

同様に、頭を固定して口を開けると必ず下顎が下方に移動します。

歯科医学では、この状態で歯のかみ合わせや下顎の動きを考えます。

★下顎を固定して口を開けるとどうなるでしょう?

カバのように頭が後ろに移動します。この時の移動中心は首にあります。

口を開けた位置(頭が後ろに移動した位置)から徐々に閉じると、上下顎が噛み合った位置で頭の移動は止まります。

この時、歯のかみ合わせが正常なら問題はありませんが、歯のかみ合わせに異常があれば頭の角度は変化します。

★あごの動きと体のゆがみ

例えば、歯がすり減っていると、頭は更に前傾し、猫背になります。

また、歯のかみ合わせに左右の相違があると、頭は低い側に傾くことになります。

この傾きは首の骨の配列に多大なストレスとして働くことになりますので、体のゆがみの要因となるのです。

言い換えれば、テンプレートで噛み合わせを正しく補正すれば、頭が真っ直ぐになり、姿勢も整うのです。

さて、アスリート達の願いは、イメージ通りに身体が動くことであり、身体を動かす時に最も重要なのは正しい姿勢の確保です。

 

猫背や身体のゆがみがあると、物理的に身体をスムースに動かすことは困難になりますし、脳や脊髄は姿勢の歪みを修整しながら運動することになり、疲労感ばかりが増加します。

この意味でもテンプレート療法は中脳を刺激し、良い姿勢を確保し、運動がスムースに行えるよう補助するものです。

 

当然ですが顎関節症や歯のかみ合わせの異常を改善する重要な装具であることは言うまでもありません。

補正後(左)と補正前(右)

5.顎関節の圧迫力を解放して、顎関節症を改善する

口を開け閉めすると、健康な状態では下顎頭は移動します。下顎の関節は耳の前の顎関節にあり、移動関節で、回転関節でもあります。

 

口を開けると下顎頭は前下方に移動します。耳の前に手のひらを当て、口の開け閉めを行ってください。手のひらで下顎頭の移動を感じることができます。

このように、大原則は口を開けると下顎頭は前に移動するということです。

噛んだ材料(テンプレート)の厚みだけ口は開き、その開口量に従って下顎頭は前に移動します。

ここで、関節の受け皿は耳の骨になりますが、噛みしめる方向では耳の骨に圧迫力として作用し、顎関節症の大きな原因に、そして、三半規管の異常など、耳の病気とも関係するのです。

 

歯がすり減り、噛み込みすぎになりますと下顎頭は後ろに移動し耳の骨と衝突します。

すると、顎関節症が始まりますが、併せて、頭は前方に、そしゃく筋は過剰に短縮し、脳は混乱して疲労するばかりです。

★顎関節症を改善するには、歯の背丈を高くして生活する

思いがけない常識ですが、コロンブスの卵のような、視点を変えた発見がここにあるのです。

これが、スポーツに関する能力を向上させ、顎関節症を改善し、痛みを抑制するテンプレート療法の明快かつ簡潔な原理といえます。

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